はじめに
「生理前になると、なんだか気分が落ち込みやすい」「些細なことでイライラしてしまう」「涙もろくなったり、急に不安感が強くなる」——このような経験はありませんか?
それは決して“性格の問題”ではありません。月経前に起きる情緒の乱れは、ホルモンと自律神経が密接に関係している、体の自然な反応のひとつです。
現代女性の多くが抱える月経前症候群(PMS)は、ホルモンバランスの変化と、それに連動する自律神経の働きが乱れることで、心と体の調子が不安定になる状態です。特に、社会での役割が多く、ストレスやプレッシャーにさらされやすい30〜50代の女性では、その影響がより顕著に表れます。
このブログでは、「なぜ月経前に情緒が不安定になるのか」という仕組みを、自律神経と東洋医学の両面からわかりやすく解説し、くろちゃん鍼灸整体院がどのような施術で心と体のバランスを整えていくのかをご紹介します。
「毎月つらい…」を「毎月を快適に過ごせる体へ」と変えるためのヒントが、ここにあります。
月経前に心が揺れ動くのはなぜ?|ホルモンと自律神経の密接な関係
月経周期の中で、排卵後〜月経開始までの期間(黄体期)は、女性ホルモンである**プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)**のバランスが大きく変化します。
- エストロゲンは、気分を安定させたり、幸福感を高めたりする作用があります。
- プロゲステロンは、体を妊娠に備えるためのホルモンで、体温を上げたり、眠気やだるさを感じやすくしたりします。
排卵後、この2つのホルモンが急激に増減すると、自律神経系(交感神経・副交感神経)の切り替えがスムーズにいかなくなることがあります。
その結果、以下のような精神的・身体的な変化が起こります。
- 情緒が不安定になる(イライラ・涙もろさ・不安感)
- 集中力が低下する
- 睡眠の質が悪くなる
- 肩こり・頭痛・腹部の違和感などが出る
自律神経はホルモンと同じく脳の視床下部がコントロールしており、ホルモン変動が大きい時期ほど自律神経への影響も大きくなります。
つまり、「ホルモンの揺れ」は「自律神経の揺れ」と直結しており、気持ちの乱れは体からのサインでもあるのです。
東洋医学で見る月経前の情緒不安|「肝」と「心」のバランス失調
東洋医学では、月経や感情、血の巡りをつかさどる臓腑として「肝(かん)」が重要な役割を果たしています。肝は“疏泄(そせつ)”と呼ばれる働きによって、気(エネルギー)や血の流れをスムーズに保つ役割を担っています。
しかし、月経前になると「肝」の働きが滞りやすくなり、「肝気鬱結(かんきうっけつ)」という状態に陥ることがあります。これは、ストレスやホルモン変動によって気の流れが滞り、感情が内側にこもってしまう状態です。
肝気鬱結の代表的な症状
- イライラ・怒りっぽい
- 胸や脇が張る・痛い
- 憂鬱感・落ち込み
- 月経前に頭痛や肩こりが悪化
また、感情面を司る「心(しん)」も関与します。肝の滞りが長引くと、心に影響が及び、不安感や不眠、動悸などが現れることも。
このように、東洋医学では「肝と心の連携が乱れることで情緒が揺れる」と考え、単に症状を抑えるのではなく、気・血・心の調和を図ることで根本から改善を目指します。
骨盤の歪みと自律神経・ホルモンの関係
ホルモンバランスや自律神経の働きは、骨盤の状態とも深く関わっています。骨盤が歪むと、内臓の位置や血流、自律神経の通り道に影響し、脳からの指令がうまく届かなくなることがあります。
- 骨盤が前傾している → 自律神経の交感神経が優位になりやすく、イライラ・緊張が抜けない
- 骨盤が後傾している → 副交感神経が優位になりすぎ、気分の落ち込み・やる気低下が起きやすい
また、骨盤の歪みは子宮や卵巣への血流にも影響し、ホルモン分泌そのものが不安定になる原因にも。
そのため、骨盤矯正によって自律神経とホルモンの“通り道”を整えることが、情緒の安定に大きく貢献します。
猫背姿勢がホルモンのリズムを乱す理由
猫背はただの姿勢の問題ではありません。胸郭が圧迫されて呼吸が浅くなり、自律神経の中枢である脳への酸素供給が低下します。これにより、**視床下部‐下垂体‐卵巣軸(ホルモン分泌の司令塔)**の働きが鈍くなり、ホルモンバランスの乱れがさらに強まるのです。
猫背矯正によって胸郭が開き、呼吸が深くなると、脳への酸素と血流が安定し、自律神経とホルモンの連携もスムーズになります。
「姿勢が整うと心が安定する」のは、単なる気分ではなく、生理学的な必然なのです。
鍼灸施術で「脳」と「子宮」をつなぐ自律神経のルートを整える
鍼灸施術は、自律神経とホルモン分泌の“スイッチ”に直接働きかけることができます。特に、月経前の情緒不安には、次のような経穴(ツボ)への刺激が効果的です。
- 【太衝(たいしょう)】…肝気の滞りを解消し、イライラ・怒りの感情を鎮める
- 【内関(ないかん)】…自律神経と心のバランスを整え、不安・動悸・緊張を緩和
- 【関元(かんげん)】…子宮・卵巣の働きをサポートし、ホルモンのリズムを安定化
- 【百会(ひゃくえ)】…脳への血流を促進し、自律神経の中枢調整をサポート
鍼刺激によって脳‐自律神経‐内臓の反射ルートが整うと、「ホルモンの波」に体が振り回されにくくなり、心の揺れが穏やかになります。
頭部施術で情緒の“スイッチ”をリセットする
月経前の情緒不安の根本には、脳の過緊張があります。特に**扁桃体(不安・恐怖の中枢)**が過敏になっていると、些細な刺激にも反応して気分が上下しやすくなります。
くろちゃん鍼灸整体院の頭部施術は、頭皮・頭蓋骨・自律神経反射点を優しく解放し、脳の興奮を沈めていきます。
これにより、扁桃体や視床下部が落ち着き、ホルモンと自律神経のバランスが取れ、**「何があっても心がブレにくい体質」**へと導きます。
通院の目安と改善までのステップ
自律神経とホルモンの乱れは、1回で劇的に改善するものではありません。体の反応を見ながら段階的に調整していくことが大切です。
- 急性期(つらい症状が強い時期):週2回
自律神経とホルモンの切り替えスイッチを集中的に調整します。 - リハビリ期(症状が落ち着いてきたら):週1回
気・血・ホルモンの流れを安定させ、情緒の揺れを予防。 - メンテナンス期(再発予防・体質改善):月2〜3回
毎月の月経周期を快適に過ごすための自律神経の“クセ”を整えます。
ご予約について
くろちゃん鍼灸整体院では、LINE・ホームページから24時間ご予約受付中です。
施術者が一人のため、ご予約が取りづらくなっておりますので、お早めにご連絡ください。
まとめ|「月経前の不安定さ」は、我慢しなくていい
月経前の情緒不安は、心の弱さではなく、体がホルモンと自律神経の変化に適応しようとしているサインです。
骨盤や姿勢、内臓、自律神経、脳のバランスを丁寧に整えることで、「月に一度のつらさ」から「自然に過ごせる毎日」へと変えていくことができます。
つらい気持ちをひとりで抱えず、ぜひ一度、くろちゃん鍼灸整体院へご相談ください。あなたの体が本来持つ“安定する力”を、私たちが一緒に引き出していきます。



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