はじめに
春になると、なぜか些細なことでカチンとくる。家族の一言に強く言い返してしまい、あとで自己嫌悪におちいる。そんな自分に戸惑っていませんか。私は、これを性格の問題として片づけてしまうのは、あまりに気の毒だと思っています。春に怒りっぽくなるのには、体の側にはっきりした理由があるからです。
神奈川県小田原市成田で鍼灸と整体をしております、くろちゃん鍼灸整体院の院長、黒柳俊英(くろやなぎ としひで)と申します。国家資格のはり師・きゅう師を持ち、鍼灸師歴は17年、これまでに累計4万人以上の方のお体を診てまいりました。毎年3月から5月にかけて、「肩こりで来たはずが、話しているうちに涙が出た」「怒りっぽい自分が怖い」とおっしゃる方が明らかに増えます。そして、その多くが同じ体の特徴を持っています。
東洋医学では、春は肝(かん)という働きが揺れやすい季節だと考えます。肝とは、気持ちの流れをなめらかに保つ交通整理の係のこと。ここが渋滞すると、行き場のない勢いが上半身へ、頭のほうへと昇っていきます。この記事では、その仕組みを平易な言葉でひもといたうえで、上に昇った勢いを下ろすための3つの取り組み、すなわち体の土台を整えること、頭と首の緊張をゆるめること、日々の過ごし方を変えること、をお伝えします。責めるのではなく、整える。一緒にやっていきましょう。
こんなお悩み、ありませんか。
- 春先になると、家族や同僚の一言にいちいち反応してしまう
- 怒りが湧いたあと、どっと疲れて何もする気が起きない
- 眉間やこめかみに、いつも力が入っている感じがする
- 朝起きたとき、あごや歯が疲れている(夜のうちに食いしばっている)
- ため息が増え、胸のあたりが詰まったように感じる
- 目が疲れやすく、しょぼしょぼしたり充血したりする
- 夜、頭が冴えてしまってなかなか寝つけない
- 肋骨の下やわき腹が張って、深く息を吸いにくい
なぜ春に怒りっぽくなるのか
1. 「肝」は感情の交通整理をしている
東洋医学でいう肝は、内臓としての肝臓そのものを指すのではなく、体と心を巡る流れを整える働きの名前です。血液や栄養をたくわえて必要な場所へ配り、気持ちがよどまないように交通整理をする。これが肝の仕事です。
この交通整理が滞った状態を気滞(きたい)といいます。気(き)とは体を動かす勢い、滞とは流れが止まること。つまり行き場をなくしたエネルギーが体の中で渋滞している状態です。渋滞した車がクラクションを鳴らすように、詰まった勢いはイライラとして表に出ます。怒りっぽさは性格ではなく、流れが止まっているサインなのです。
2. 春は「上へ、外へ」と広がる季節
草木が芽吹き、枝を上へ伸ばすように、春は自然界すべてが上向きに広がる季節です。人の体も例外ではなく、冬のあいだ内側にしまい込んでいた勢いが、いっせいに外へ出ようとします。
この動きがなめらかであれば、春はとても心地よい季節です。ところが、体の土台がこわばっていたり、冬の疲れが残っていたりすると、勢いだけが先に立ち上がり、行き先を失って上半身にたまります。顔がのぼせる、頭が重い、目が充血する、寝つけない。下が空っぽで上が渋滞している、この不均衡こそが春のイライラの正体です。東洋医学ではこれを、肝の勢いが昇りすぎている状態と表現します。
3. 環境の変化に、体の準備が追いつかない
4月は、多くの方にとって環境が変わる月です。異動、昇進、部下の交代、お子さんの進学。責任のある立場の方ほど、意識しないうちに気を張り続けています。しかも春は一日の中の寒暖差が10度近くになる日もあり、体は暑さ寒さの調節に余力を使い果たしています。
心の負荷と体の負荷が同時にかかったとき、真っ先に削られるのは我慢の余白です。普段なら流せる一言に反応してしまうのは、あなたの器が小さいからではありません。余白がすでに使い切られているだけのことです。
4. 体には、はっきりとした形で現れている
怒りっぽさを訴えて来院される方のお体には、共通した特徴があります。まず、あごの筋肉が硬い。無意識の食いしばりで、こめかみから頬にかけてが板のようになっています。次に、後頭部と首のつけ根が硬い。そして、肋骨の下側、わき腹のあたりに張りが出て、息が浅くなっています。
息が浅いと、体を落ち着かせる側の切り替えが働きにくくなります。この切り替えは自律神経(じりつしんけい)という自動運転の仕組みが担っていますが、胸が広がらなければ、そもそも落ち着く材料が入ってきません。気持ちが体を固くしているだけでなく、固くなった体が気持ちを尖らせている。この往復が、春の不調をこじらせます。
5. 目・こめかみ・わき腹に出る三つのサイン
東洋医学では、肝の状態は目に現れると考えます。春に目が疲れやすい、かすむ、充血する、まぶたがぴくぴくするといった変化は、肝が消耗しているサインです。スマートフォンやパソコンで目を酷使することは、そのまま肝を削ることにつながります。
こめかみの張りは、上に昇った勢いが行き止まっている場所を示しています。わき腹や肋骨の下の張りは、流れが詰まりはじめた入口です。この三か所を毎朝ご自分で確かめる習慣をつけると、感情が爆発する前に「今日は溜まっているな」と気づけるようになります。気づけた時点で、対処は半分終わっています。
くろちゃん鍼灸整体院の4施術アプローチ
先ほどお伝えした3つの取り組みのうち、「体の土台を整える」「頭と首の緊張をゆるめる」の二つを、当院では次の四つの施術で担っています。上に昇りきった勢いを、下ろして巡らせる。それが春の施術の狙いです。
骨盤矯正
骨盤矯正では、骨盤の傾きやねじれを確認しながら整えていきます。上半身ばかりに勢いが集まる方は、下半身の支えが利いていないことがほとんどです。土台が安定すると、体の重心が自然と下がります。重心が下がった方は、表情から力みが取れ、声のトーンまで落ち着いてくることが少なくありません。上を抑え込むのではなく、下を建て直す。これが順序です。
猫背矯正
猫背矯正では、丸まった背中と前に出た肩を、呼吸しやすい位置へ導きます。イライラが続いている方の胸は、例外なく閉じています。胸が閉じれば呼吸は浅くなり、浅い呼吸は体を戦闘態勢のまま保ちます。肋骨の動きが戻り、深く息が入るようになると、それだけで気持ちの振れ幅は小さくなります。
鍼灸施術
鍼灸施術では、肝の流れが滞っている経路を見きわめ、必要な場所に鍼とお灸を用います。特に足元のツボを使って、上に昇った勢いを下へ引き下ろすことを重視します。使用する鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みはほとんど感じません。施術中に眠ってしまう方も多くいらっしゃいます。鍼が苦手な方には、骨盤矯正・猫背矯正・頭部施術のみでの対応も可能ですので、どうぞご遠慮なくお伝えください。
頭部施術
頭部施術では、こめかみ、あご、後頭部の緊張をていねいにゆるめていきます。考えごとが止まらない方ほど、頭皮が張りついたように硬くなっています。ここがゆるむと、詰まっていた場所に通り道ができ、目の奥の重さや眠りにくさが和らいでいきます。当院で最も「終わったあとに深呼吸が出る」施術がこれです。
自宅でできる対処法は?
3つ目の取り組み、日々の過ごし方です。難しいことは何もありません。
1. 吐く息を、吸う息の倍にする
イライラしているとき、呼吸は短く浅くなっています。そこで、4秒かけて鼻から吸い、8秒かけて口から細く吐きます。これを5回。ポイントは吸う量ではなく、吐ききることです。吐く時間が長いほど、体は落ち着く側へ切り替わっていきます。カチンときた瞬間にその場でやれるのが、この方法の強みです。返事をする前に一呼吸、これだけで言わずに済む言葉が確実に増えます。
2. 目を休める三分間
春は目から消耗します。蒸しタオルを電子レンジで温め、まぶたの上に3分のせてください。そのあいだ、意識してゆっくりまばたきを繰り返します。画面を見続けているとまばたきの回数は半分以下に減り、目のまわりの筋肉が固まったままになります。目のまわりがゆるむと、不思議とこめかみと後頭部の張りまで抜けていきます。夜、寝る前の習慣にすると、寝つきにも変化が出てきます。
3. 夕方以降は「上げない」時間にする
春の夕方以降は、勢いをこれ以上上げない過ごし方を選んでください。刺激の強い映像や、気の重くなるやりとりは翌朝に回す。照明を一段落とす。そして、15分でよいので歩きに出ることをおすすめします。足を使うことは、上にたまった勢いを下ろす最も素直な方法です。小田原は海も川も近く、日が長くなる春の夕暮れは、歩くのにちょうどよい季節です。
おすすめのツボ(東洋医学)
太衝(たいしょう)。足の甲側、親指と人差し指の骨をたどって指を上へ滑らせていくと、二本の骨が合わさる手前で指が止まります。そのくぼみが太衝です。親指の腹で、息を吐きながら5秒押して、5秒ゆるめる。これを左右5回ずつ。肝の流れを整える代表的なツボで、上に昇ってしまった勢いを足元へ引き下ろす働きが期待できます。イライラしている日は、ここが驚くほど痛いことがあります。強く押しすぎず、痛気持ちいい手前で止めてください。
内関(ないかん)。手のひらを上に向け、手首のしわの中央から、指三本ぶん腕側へ上がった位置。二本の腱のあいだにあります。反対の親指で、ゆっくり10秒押さえて離す。これを3回。胸のつかえ感、締めつけられるような感じ、動悸が気になるときに用いられてきたツボです。会議の前や、気の張る場面の直前に、机の下でそっと押さえられるのも利点です。
ただし、セルフケアだけでは届かない領域があります。何年もかけて固まったあごや後頭部、傾いたままの骨盤は、ご自分の手では変えきれません。上に昇った勢いを下ろすには、下ろす先である土台が整っている必要があります。その部分は、どうぞ私たちにお任せください。
受診の目安
気持ちの揺れは、体の不調としてだけでなく、医療機関での確認が必要なサインとして現れることもあります。次の場合は、当院ではなく医療機関へ先にまずはご連絡、メッセージを送ってください。
- 今まで経験したことのない激しい頭痛が突然起きた
- ろれつが回らない、手足に力が入らない、顔の片側がゆがむ
- 激しいめまいや吐き気を伴い、まっすぐ歩けない
- 安静にしていても動悸が続く、胸が締めつけられるように痛む
- 血圧が普段よりはっきり高い状態が続いている
- 怒りを自分で抑えられず、人や物にあたってしまう
- 眠れない日が一週間以上続き、日中の仕事に支障が出ている
上の三つは脳や心臓の問題が疑われますので、ためらわず救急の受診をお願いします。そして気分の落ち込みが2週間以上続いている場合は、必ず専門の医療機関へまずはご連絡、メッセージを送ってください。。心療内科や精神科は、特別な場所ではありません。早い段階で相談された方ほど、回復までの道のりが穏やかです。医療機関での確認を終えたあと、お体を整える役割を当院が引き受ける。この順番でいきましょう。
通院の目安
春の不調は、その年だけの問題ではなく、毎年繰り返されていることが多いものです。当院では三つの段階でお付き合いしています。
まずは集中改善期。週1回から隔週のペースで、2〜3ヶ月ほど。この期間で、あごと後頭部の緊張、そして骨盤の傾きを整えます。多くの方が「怒りが湧いても、引きずる時間が短くなった」と表現される段階です。続いて安定期は月に2回。整った状態を体に覚えさせ、環境の変化に揺さぶられにくい土台をつくります。そしてメンテナンス期は月に1回。特に冬の終わりから春先にかけては、崩れる前に整えておく意味が大きい時期です。
当院の実績では、3ヶ月以上継続してくださっている方が41.7%、6ヶ月以上の方が31.7%、平均の継続期間は4.0ヶ月となっています。初回は、問診とお体の確認に60〜90分ほどお時間をいただきます。どんな場面でイライラが強まるのか、睡眠はどうか、そうしたことも含めてゆっくりおうかがいします。
ご予約方法
ご予約はLINEにて24時間受け付けています。「春になると怒りっぽくなる」とだけ書いていただければ、こちらで見立てを準備してお待ちします。感情のことをお話しになるのに気が引ける、という方もいらっしゃいますが、当院ではごく日常のご相談です。今年の春は、去年より穏やかに過ごしてまいりましょう。
当院は施術者が院長一人のため、お一人ずつ丁寧にお時間を確保しております。そのためご予約が取りにくい時間帯もございますが、当日のご予約も承れますので、お気軽にお早めにご連絡くださいませ。
当日のご予約は18時までを目安にお願いしておりますが、初めての方はお時間の調整をさせていただきますので、まずはお気軽にメッセージをお送りください。
くろちゃん鍼灸整体院(神奈川県小田原市成田394-1)
院長 黒柳俊英 / 鍼灸師歴17年(2009年4月取得)/ 累計4万人以上の施術実績 / 記事3500本以上
4施術同時アプローチ:骨盤矯正・猫背矯正・鍼灸施術・頭部施術を組み合わせ、姿勢と自律神経を同時に整えます。
📊 3ヶ月以上継続して通われている方が41.7%、6ヶ月以上のメンテナンス層が31.7%、平均継続期間は4.0ヶ月です。
営業時間:9:00-19:00(最終受付18:00/施術19:00まで)/定休:水曜・日曜(祝日は水・日以外なら通常診察)
通い方の目安:症状が強い時期は週1〜隔週、安定期は月2回、メンテナンス期は月1回です(押し売りなし)。
📅 最終更新日: 2026年08月01日
【効果には個人差があります】




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