3月の倦怠感|脾の消耗

メンタル・不安・気分の落ち込み

はじめに

三月に入って、なんだか身体が重い。しっかり食べているはずなのに、どこからも力がわいてこない。午前中から身体が鉛のようで、夕方には座っているだけで精一杯。そんな倦怠感を抱えたまま、毎日をやり過ごしていませんか。周りからは「春だから仕方ないよ」と言われ、自分でも気のせいかと思いながら、それでも身体は確実に重くなっていく。

はじめまして。神奈川県小田原市成田で「くろちゃん鍼灸整体院」を営んでおります、院長の黒柳俊英(くろやなぎ としひで)と申します。国家資格であるはり師・きゅう師を持ち、鍼灸師歴は17年。累計4万人以上の方のお身体と向き合ってきた中で、三月の倦怠感には共通した背景があると感じています。

それは、東洋医学でいう「脾(ひ)」の消耗です。脾とは、簡単に言えば、食べたものを身体を動かす力に変える働きのこと。胃や腸という臓器そのものを指すのではなく、消化して、吸収して、全身へ配るという一連の流れをまとめてそう呼びます。この力が落ちると、どれだけ食べても力に変わりません。食べる量は減っていないのに疲れが抜けない、という一見ふしぎな状態が起こるのです。「食べているのに、力にならない」。それが三月の身体で起きていることです。

この記事では、なぜ三月に脾の力が消耗しやすいのかを、東洋医学の見方と現代の身体の仕組みの両面から、専門用語を使わずにお伝えします。あわせて、ご自宅で今日から試せるセルフケアと、当院ではなく医療機関へ行っていただきたい目安も書きました。ひとりで抱え込まずに、一緒に、身体が力を取り戻せるところまで整えていきましょう。

こんなお悩み、ありませんか。

  • 食事はきちんと摂っているのに、身体に力が入らない
  • 朝、目が覚めた時点ですでに疲れていて、布団から出るのがつらい
  • 食後に強い眠気が来て、そのまま何もできなくなってしまう
  • お腹が張りやすく、食べた物がいつまでも残っている感じがする
  • 手足がだるく重い。特に太ももやふくらはぎに力が入らない
  • 甘い物や炭水化物ばかり欲しくなり、食べても満たされない
  • 寝ても回復した感じがなく、休日に寝だめをしても変わらない
  • 健康診断では特に問題ないと言われ、相談する先が見つからない

なぜ3月の倦怠感が起こるのか

倦怠感というと「気力の問題」と片づけられがちですが、三月の重さには身体側の理由がはっきりあります。ここでは五つの角度から見ていきます。

1. 脾(ひ)が弱り、食べたものが力に変わらない

東洋医学では、身体を動かすエネルギーを「気(き)」と呼びます。この気の材料をつくるのが、脾の役割です。食べたものを細かく分けて、必要なものを取り出し、全身へ運び上げる。この工程が滞ると、材料は入ってきているのに製品ができない工場のような状態になります。東洋医学ではこれを「気虚(ききょ)」、つまり気が足りない状態と呼びます。要はエネルギーの製造ラインが減速しているということです。だから食べる量を増やしても解決せず、むしろお腹の張りや食後の眠気として跳ね返ってきます。

2. 三月の寒暖差が、消化の力を静かに奪う

三月は一日の中の気温差が大きく、日によっても十度近く動きます。身体は体温を一定に保とうとして、血管を縮めたり広げたりを一日中くり返します。この調整には想像以上のエネルギーが使われ、担っているのは自分の意思とは関係なく働く神経です。ここが休みなく動員されると、消化に使われるはずだったエネルギーが、体温の維持に先に回されます。気温差が大きい季節ほど、消化は後回しにされる。三月の重さの土台には、この静かな消耗があります。

3. 冷たい飲み物と早食いが、負担を積み上げる

暖かい日が出てくると、冷たい飲み物が戻ってきます。東洋医学では、脾は冷えと湿気をとても嫌うと考えます。胃腸は体温に近い温度で最もよく働くため、冷たいものが入るとその温度を戻すところから作業が始まります。加えて忙しい時期は噛む回数が減り、食べ物が大きいままお腹に届くため、消化にかかる労力も増えます。一つひとつは小さな負担ですが、毎日三食分が積み上がると、月末には確かな重さになって現れます。

4. 環境の変化による緊張が、胃腸の動きを止める

三月は、異動、卒業、送別、年度末の締め。ご本人に変化がなくても、家族や職場の誰かが変われば、その調整はご自身に降りてきます。身体が緊張しているとき、内臓の動きにはブレーキがかかります。危険に備えるための自然な反応で、緊張下では消化より手足を動かすことが優先されるからです。問題は、その緊張が三月のあいだ切れ目なく続くこと。お腹が動く時間そのものが減るため、食べたものが停滞し、だるさとして残ります。「忙しくなると食欲がなくなる」のは、意志の弱さではなく身体の仕組みです。

5. 脾の弱りは「手足の重さ」として現れる

東洋医学には、脾は手足の筋肉を養う、という考え方があります。実際、エネルギーが不足したとき、身体が真っ先に削るのは手足の動きです。心臓や脳のような止められない場所へ優先的に回すため、太ももやふくらはぎ、二の腕といった大きな筋肉が「重い」と感じられます。ここが動かなくなると、血液を心臓へ押し戻すポンプの働きも落ち、足元に水分がたまって夕方のむくみにつながります。だるさが、次のだるさを呼ぶ循環です。この輪をどこかで断ち切ることが、三月の倦怠感への向き合い方になります。

くろちゃん鍼灸整体院の4施術アプローチ

当院では、消耗した脾の働きを支えるために、四つの方向から同時にお身体を整えていきます。どれか一つでは届かないところを、組み合わせで補うという考え方です。

骨盤矯正

骨盤が後ろに倒れて座る時間が長いと、お腹が前に折りたたまれ、胃腸の入るスペースが物理的に狭くなります。この状態では、どれだけ食事に気をつけても内臓は動きにくいままです。骨盤矯正では、土台の傾きと左右差を確認し、お腹の中の縦の高さを取り戻していきます。強くひねったり、大きな音を鳴らしたりする施術ではありません。座り姿勢が変わるだけでお腹の動きが戻る方も多くいらっしゃいます。

猫背矯正

背中が丸まると、みぞおちの前後が詰まり、横隔膜という呼吸の主役の筋肉が動ける幅が減ります。横隔膜は上下するたびに胃や腸を穏やかに揺らしていますから、ここが止まると消化も止まりがちです。猫背矯正では、胸の前側の縮みと背中の使えていない部分を分けて整えます。目標は「まっすぐ立たせること」ではなく、息が深く入る形に戻すことです。

鍼灸施術

脾の消耗に対して、鍼灸施術はお腹と足の要所を使って、内臓へ向かう血流と働きを後押しします。当院で使う鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みはほとんど感じません。お灸は、冷えて動きの鈍ったお腹まわりにじんわりとした温かさを届けます。「食べても力にならない」状態には、この温める刺激がよく合います。鍼がどうしても苦手という方には、骨盤矯正・猫背矯正・頭部施術のみの組み立てでも対応しておりますので、遠慮なくお伝えください。

頭部施術

考えごとや緊張が続くと、頭の横や後ろの筋肉が張り、休むための切り替えが効きにくくなります。頭部施術では、その張りをゆるめて、身体が回復モードへ入りやすい状態をつくります。多くの方が施術中に眠ってしまわれる、静かな施術です。三月の倦怠感は、日中の対策より、夜の回復量を増やすほうが早いことが少なくありません。

自宅でできる対処法は?

施術と同じくらい、毎日の積み重ねが結果を左右します。難しいことはしません。三つだけ、今日から始めてみてください。

1. 一日の最初の一杯を、温かいものにする

朝いちばんに冷たい水やコーヒーを流し込むと、まだ動き出していない胃腸を冷やすところから一日が始まります。白湯でも、薄いお茶でもかまいません。人肌より少し温かい程度のものを、立ったままではなく座って、二、三分かけて飲みます。これだけでお腹の中の温度が保たれ、朝食の消化にかかる負担が変わります。変えるのは飲む量ではなく温度です。

2. 最初のひと口を、三十回噛む

すべての食事で完璧に噛むのは現実的ではありません。ですから、一食の最初のひと口だけと決めてください。三十回噛むと、その後の食事全体のペースが自然に落ちます。よく噛むと唾液が増え、胃腸へ「これから食べ物が来る」という合図が送られます。この合図の有無で、消化の立ち上がりが変わります。数えるのが面倒なら、ひと口ごとに箸を置くルールでもかまいません。

3. お腹を温めて、夕食の時間を前倒しする

三月はまだ夜が冷えます。腹巻きを一枚足す、湯たんぽをお腹の上に十分ほど乗せる。それだけで、脾が嫌う冷えを避けられます。あわせて、夕食は寝る三時間前までに終えるのが理想です。胃の中に食べ物が残ったまま眠ると、身体は夜通し消化を続け、回復の時間が削られます。遅くなる日は量を七分目にして汁物を中心に。夜のお腹を軽くすることが、翌朝の軽さに直結します

おすすめのツボ(東洋医学)

脾を助けるツボを二つご紹介します。強く押す必要はありません。「気持ちいい」と感じる強さが、いちばん身体に届きます。

足三里(あしさんり):膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみに人差し指を当て、そこから指四本分だけ足首側へ下がったところです。すねの骨の外側、指が自然に沈むくぼみが目印になります。親指の腹をあて、息を吐きながら五秒かけてゆっくり沈め、五秒かけて戻す。これを左右それぞれ十回ほど。昔から旅の疲れに使われてきたツボで、胃腸の働きと足の力の両方を支えると考えられています。食べても力にならない状態にちょうど合うツボです。お灸を使える方は、ここに温かさを届けると、より変化が出やすくなります。

中脘(ちゅうかん):おへそとみぞおちのちょうど真ん中、身体の正面の中心線上にあります。胃の真上にあたる場所です。ここは強く押さず、手のひらを重ねて置き、静かに呼吸を三十回。ぬくもりが伝わるだけで十分です。東洋医学では胃の働きが集まる場所とされ、食後の張りやみぞおちのつかえ感に用いられてきました。食後すぐは避け、寝る前の布団の中で行うのがおすすめです。

ただし、正直にお伝えします。セルフケアだけでは届かない領域があります。ご自身の手が届くのは表面までで、骨盤の傾きや背中の固さ、そして長く続いた緊張の癖は、外からの手が入らないと動きにくいものです。三月の倦怠感が二週間以上変わらない、あるいは去年も一昨年も同じ時期に同じ重さが来ているなら、それはご自身の努力不足ではなく、土台のほうに理由があるサインです。そこは私たちにお任せください。

受診の目安

当院は鍼灸と整体の自費施術のみを行う施設です。診断は行いませんし、行えません。次のような場合は、当院より先に医療機関を受診してください。これは信頼の問題として、正直にお伝えしておきます。

  • 特に食事を減らしていないのに、体重が短期間で大きく落ちている
  • 黒い便が出る、便に血が混じる、吐いたものに血が混じる
  • 食べ物や飲み物が飲み込みにくい、つかえる感じが続いている
  • 強い腹痛が続く、または我慢できないほどの痛みがある
  • 発熱や寝汗が続いている、皮膚や白目が黄色く見える
  • だるさとともに、息切れや動悸、極端な立ちくらみがある
  • 気分の落ち込みが2週間以上続いている場合は、必ず心療内科や精神科など専門の医療機関へまずはご連絡、メッセージを送ってください。

倦怠感は、甲状腺や貧血など身体の内側の状態が背景にあることもあります。まだ血液検査を受けていないなら、まずはそちらが先です。検査で異常がないと言われた後の、行き場のない重さ。当院がお役に立てるのは、そこからです。

通院の目安

三月の倦怠感は、その月だけで積み上がったものではないことがほとんどです。ですので、通院も段階を踏んで考えます。

まずは集中改善期。週に1回から隔週のペースで、2〜3ヶ月を目安にお身体を整えます。この時期は、良くなったり戻ったりを繰り返しながら、戻りの幅が少しずつ小さくなっていきます。次に安定期として月2回。ご自身でも変化を保てるようになる時期です。そしてメンテナンス期は月1回。季節の変わり目に崩れないための備えとして続けていただきます。

当院の実績として、3ヶ月以上継続された方が41.7%、6ヶ月以上継続された方が31.7%、平均の継続期間は4.0ヶ月です。季節をひとまわりする中でお身体が変わっていく、という感覚に近いものです。初回は問診とお体の確認に60〜90分ほどいただき、今どこがどう消耗しているのかを、一緒に確認するところから始めます。

ご予約方法

「食べているのに力にならない」という感覚は、言葉にしにくく、周りに理解されにくいものです。だからこそ、ひとりで抱えないでいただきたいと思っています。ご予約や、施術内容のご相談は、LINEから24時間いつでも受け付けております。夜中でも、思い立った時で構いません。まずはお身体の状態を教えてください。三月の重さを、一緒に手放していきましょう。

当院は施術者が院長一人のため、お一人ずつ丁寧にお時間を確保しております。そのためご予約が取りにくい時間帯もございますが、当日のご予約も承れますので、お気軽にお早めにご連絡くださいませ。
当日のご予約は18時までを目安にお願いしておりますが、初めての方はお時間の調整をさせていただきますので、まずはお気軽にメッセージをお送りください。

くろちゃん鍼灸整体院(神奈川県小田原市成田394-1)

院長 黒柳俊英 / 鍼灸師歴17年(2009年4月取得)/ 累計4万人以上の施術実績 / 記事3500本以上

4施術同時アプローチ:骨盤矯正・猫背矯正・鍼灸施術・頭部施術を組み合わせ、姿勢と自律神経を同時に整えます。

📊 3ヶ月以上継続して通われている方が41.7%、6ヶ月以上のメンテナンス層が31.7%、平均継続期間は4.0ヶ月です。

営業時間:9:00-19:00(最終受付18:00/施術19:00まで)/定休:水曜・日曜(祝日は水・日以外なら通常診察)

通い方の目安:症状が強い時期は週1〜隔週、安定期は月2回、メンテナンス期は月1回です(押し売りなし)。

LINEで予約 / 24時間受付中

📅 最終更新日: 2026年07月31日

【効果には個人差があります】

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