はじめに
三月の小田原は、日なたに出れば上着がいらないほど暖かいのに、日が傾くと急に真冬の風が戻ってきます。朝は五度、昼は十七度。そんな日が週に何度もやってきます。この時期、「病気というほどではないけれど、どうにも調子が上がらない」というお声を、当院ではとても多くいただきます。体が、暖かい季節に切り替えていいのか、まだ冬の構えを続けるべきなのか、迷ってしまっているのです。
はじめまして。神奈川県小田原市成田で「くろちゃん鍼灸整体院」を営んでおります、院長の黒柳俊英(くろやなぎ としひで)と申します。国家資格であるはり師・きゅう師を持ち、鍼灸師として十七年、これまでに累計四万人以上の方のお体に触れてまいりました。毎年この季節になると、同じような不調を抱えた方が続けてお越しになります。そこには共通したパターンがあり、体からのサインもよく似ています。
この記事でお伝えしたいのは、三月に体が迷っているときに出る三つのサインです。ひとつ目は「朝起きられない、日中に強い眠気が出る」こと。ふたつ目は「首や肩がこわばり、頭痛やめまい、耳のつまり感が出る」こと。三つ目は「理由のない落ち込みとイライラが日替わりでやってくる」こと。この三つがそろってきたら、体が寒暖差についていけていない合図だと考えています。なぜそうなるのか、そして当院の四つの施術とご自宅でのセルフケアで何ができるのかを、やさしい言葉でお話しします。一緒に整えていきましょう。
こんなお悩み、ありませんか。
- 目覚まし時計が鳴っても、体が布団から離れてくれない
- 昼過ぎになると、抗えないほどの眠気とだるさに襲われる
- 首のつけ根から後頭部にかけて重く、頭痛が出る日がある
- 立ち上がったときにふらつく。耳がつまったように感じる
- 暖かい日は元気なのに、冷え込んだ翌日に必ず崩れる
- 理由もなく気持ちが沈み、かと思えば些細なことで苛立つ
- 寝つきが悪い、あるいは夜中に何度も目が覚める
- 手足の先だけが冷たいのに、顔や頭はのぼせて熱い
なぜ3月に体が迷うのか
1. 一日の寒暖差が十度を超え、体温調節が追いつかない
私たちの体は、汗をかいたり血管を広げたりして熱を逃がし、逆に血管を縮めて熱を守ります。この切り替えは無意識に行われていますが、切り替えの回数が増えれば増えるほど、エネルギーを使います。三月は朝と昼で十度以上動く日が続き、しかも日によって暖かさの度合いが違います。体は一日に何度も設定を書き換えることになり、その負担が、だるさや眠気として表に出てきます。「何もしていないのに疲れる」のは、内側でずっと調整作業をしているからです。
2. 気圧が数日おきに上下し、耳の奥のセンサーが揺さぶられる
耳の奥には、体のバランスと気圧の変化を感じ取る小さなセンサーがあります。春は低気圧と高気圧が交互に通過するため、このセンサーが休みなく働くことになります。感じ取った情報が過剰になると、めまい、耳のつまり感、そして首から後頭部にかけての頭痛として現れます。天気が崩れる前日に決まって調子が落ちる方は、この仕組みが関わっている可能性が高いと考えられます。
3. 日照時間が急に伸び、体内時計の前倒しが追いつかない
三月は、日の出が一か月で三十分以上早まります。体内時計は光を手がかりに調整されるため、本来なら少しずつ前倒しになるはずですが、夜に強い明かりを浴びる生活が続くと、この前倒しが起きません。すると、朝は光が入っているのに体はまだ夜のまま。夜は眠るべき時間なのに頭が冴える。この時間差が、朝の起きづらさと日中の眠気を同時に生み出します。
4. 東洋医学でいう「肝」が高ぶりやすい季節
東洋医学では、春は「肝(かん)」の季節とされます。肝は、体のめぐりや気持ちの流れをのびやかに保つ役割を担うと考えられている働きの名前です。冬のあいだ縮こまっていた体が一気に外へ向かおうとする春は、この肝が高ぶりやすくなります。高ぶった肝は上へ上へと突き上げるため、頭痛、めまい、目の疲れ、そして怒りっぽさとして現れます。同時に、冬に消耗した「気(き)」が不足した状態を「気虚(ききょ)」と呼びますが、この土台の弱さが重なると、高ぶりと落ち込みが交互にやってくる不安定さになります。三つ目のサインである気分の波は、まさにこの状態です。
5. 年度末の忙しさと、冷えを避けるための身構えた姿勢
三月は、仕事も家庭も区切りの時期です。異動、引き継ぎ、卒業、進学。心の負担が増える時期が、体の負担が増える時期と重なります。さらに寒い朝は、無意識に肩をすくめて首を縮め、あごを前に出す姿勢になりがちです。この姿勢が続くと、首のつけ根と後頭部の筋肉が固まり、頭へ向かう血のめぐりが滞ります。二つ目のサインである首肩のこわばりと頭痛は、寒暖差そのものよりも、寒さから身を守ろうとした結果として生まれていることが少なくありません。
くろちゃん鍼灸整体院の4施術アプローチ
三月の不調は、どれかひとつを取り除けば解決するものではありません。体温の調節、首の緊張、体内時計、気持ちの波。これらが絡み合っているからこそ、四つの方向から同時に整えていきます。
骨盤矯正
体温を保つ熱の多くは、下半身の大きな筋肉が生み出しています。骨盤が傾いて股関節の動きが狭くなると、歩幅が小さくなり、この熱づくりの効率が落ちます。手足の先だけが冷たいのに顔はのぼせるという状態は、下半身で熱がつくれず、上に偏っているサインです。骨盤の傾きと左右差を整えて股関節が自由に動ける状態を取り戻すと、下半身で熱をつくり直せるようになり、寒暖差への対応にゆとりが生まれます。
猫背矯正
寒い朝に肩をすくめる姿勢が習慣になると、胸が閉じて呼吸が浅くなります。呼吸が浅いと、体は休むモードに切り替えづらくなり、夜の眠りも浅くなります。胸の前側と肩まわりのつっぱりを解き、背骨が一つひとつ動く範囲を広げていきます。胸が開いて息が深く入るようになると、それだけで首の力みが抜け、後頭部の重さが軽くなる方が多くいらっしゃいます。
鍼灸施術
首から肩、背中、そして足のツボを使い、高ぶった上半身の熱を下ろし、めぐりを整えていきます。春の不調には、足元のツボを使って上に偏った状態を落ち着かせる考え方が古くから用いられてきました。当院で使う鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みはほとんど感じません。お灸の温かさは、冷えが抜けない首のつけ根や腰にじんわり届きます。鍼が苦手な方に無理におすすめすることはありません。骨盤矯正・猫背矯正・頭部施術のみでも組み立てられます。
頭部施術
三月の不調でいちばん多くご相談いただくのが、頭の重さとめまい、そして眠りの浅さです。頭皮、こめかみ、後頭部と首のつけ根をやさしくゆるめていくと、締めつけられていた感覚がほどけ、呼吸が深くなります。体内時計を整えるうえでも、夜にしっかり眠れる状態をつくることは欠かせません。頭部施術は、迷っている体に「もう休んでいい」と伝えるための時間だと考えています。
自宅でできる対処法は?
1. 首のつけ根を温める、朝の三分
蒸しタオルを用意し、うなじから肩のつけ根にかけて三分ほど当ててください。電子レンジで温める場合は、必ず手の甲で熱さを確かめてから使います。ここには頭へ向かう太い血管が通っており、温めることで頭の重さやめまい感がやわらぐ方が多くいらっしゃいます。寒い朝ほど効果を感じやすいので、出かける前の習慣にしてみてください。
2. 三層の重ね着と、朝十分の外光
三月は、脱ぎ着で調整できる服装が体の負担を減らします。薄手を三枚重ねる形にして、日中は一枚脱ぐ。とくに首、手首、足首の三か所は、冷えると全身が身構えるので、朝夕はここを覆ってください。そのうえで、起きてから一時間以内に十分ほど外の光を浴びます。カーテンを開けて窓辺に立つだけでも構いません。光が体内時計の前倒しを助け、夜の寝つきが変わってきます。
3. 息を長く吐きながら、肩甲骨をゆっくり回す
椅子に浅く腰かけ、両手の指先を肩に置きます。鼻から四秒吸いながら肘を前から上へ、口から八秒吐きながら肘を後ろへ大きく回します。これを十回。吐く息を吸う息の倍にするのが要点です。長く吐くほど体は休むほうへ傾き、高ぶった状態が落ち着きます。肩甲骨が動くことで、固まった首のつけ根もほどけていきます。眠る前に行うと、その日の緊張を持ち越さずにすみます。
おすすめのツボ(東洋医学)
太衝(たいしょう)/足の甲側、親指と人差し指の骨をたどっていき、二本の骨が合流する手前のくぼみです。春に高ぶりやすい「肝」の流れを整えるとされる代表的なツボで、上に偏った状態を足元へ下ろす目的で古くから用いられてきました。親指の腹を当て、息を吐きながら五秒かけてゆっくり沈め、吸いながら五秒で力を抜きます。左右それぞれ五回ずつ。イライラが強い日や、目の奥が疲れている日、頭に血がのぼる感じがある日に向いています。少し痛みを感じることがありますが、心地よい範囲でとどめてください。
風池(ふうち)/後頭部の生え際、首の中心にある太い筋の外側で、耳の後ろの骨との中間あたりのくぼみです。名前のとおり、風の影響、つまり気温や気圧の変化による不調が集まりやすい場所とされます。両手の親指を左右のくぼみに当て、頭の重さを親指に預けるようにして、斜め上へ向かって五秒押し、五秒ゆるめる。これを五回。首の力を抜いて行うのが要点です。頭痛、めまい、目の重さ、寒暖差による首のこわばりに向いています。強く押しすぎず、あくまで気持ちよい強さで行ってください。
セルフケアだけでは届かない領域があります。骨盤の傾きぐせ、背骨のうち特に動きが止まっている一か所、ご自身では力を抜けない首の深い部分のこわばり。これらは外から手を添えて初めて変わっていくものです。ご自身でできることを続けながら、土台は一緒に整えていく。この組み合わせが、遠回りのようでいちばん確かな道だと考えています。
受診の目安
ここは正直にお伝えしなければならない部分です。三月の不調に見えるものの中に、重い病気が隠れていることがあります。次のような場合は、当院ではなく、まず医療機関を受診してください。
- これまで経験したことのない激しい頭痛が、突然始まった
- ろれつが回らない、言葉が出にくい、顔の片側がゆがむ
- 片側の手足に力が入らない、しびれる、歩いていて膝の力が急に抜ける
- 視野の一部が欠ける、ものが二重に見える
- じっとしていてもめまいが続く、強い吐き気や嘔吐をともなう
- 胸の痛みや強い息切れ、動悸がある
- 便が黒くなる、血が混じる、細くなるなど便の性状が変わった
- 体重が減ってきた、微熱が続く、食欲が落ちている
とくに、膝の力が急に抜ける感覚と、便の性状の変化は、見過ごしてはいけないサインです。前者は背骨の内側を通る神経や脳に、後者は腸の内側に原因が隠れていることがあります。どちらも「疲れのせい」で片づけられがちですが、順番として先に医療機関で確かめておくべきものです。検査で問題がないと分かれば、そこから安心して体を整えていけます。当院でも、お話をうかがう中で受診をおすすめすべきと判断した場合には、はっきりとお伝えしています。
通院の目安
寒暖差に対応できる体は、一度の施術でつくられるものではありません。首や骨盤の状態が変わり、それが日常の姿勢や呼吸として定着するまでには、ある程度の時間が必要です。当院では次の流れをご案内しています。
集中改善期/週に一回から隔週のペースで、二〜三か月ほど。体が元に戻ろうとする力より、整った状態を上回らせていく期間です。三月に始めれば、負担の大きい春を越えるところまで一緒に進めます。
安定期/月に二回ほど。よい状態が続く日数が伸びてきたら、間隔を広げていきます。天候が荒れる時期の揺り戻しを、早めに拾う期間です。
メンテナンス期/月に一回。整った状態を保ちながら、季節の変化に合わせて微調整していきます。
当院の実績では、三か月以上続けてくださっている方が41.7%、六か月以上の方が31.7%、平均の継続期間は4.0か月です。焦らず、ご自分のペースで大丈夫です。初回は問診とお体の確認にじっくり時間をかけますので、六十分から九十分ほどをみておいてください。施術料金は内容によって変わりますので、詳しくはLINEでお気軽にお問い合わせください。
ご予約方法
ご予約はLINEから、二十四時間いつでも受け付けています。夜中でも、思い立ったタイミングで送っていただいて構いません。順番にご返信いたします。ご予約前のご相談だけでも大丈夫です。
当院は施術者が院長一人のため、お一人ずつ丁寧にお時間を確保しております。そのためご予約が取りにくい時間帯もございますが、当日のご予約も承れますので、お気軽にお早めにご連絡くださいませ。
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📅 最終更新日: 2026年07月30日
【効果には個人差があります】




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